月経困難症
月経困難症(生理痛)とは、
月経期間中に起こる病的症状のことです。
下腹痛、腰痛だけではなく、お腹の張る感じ、吐き気、頭痛、疲労・脱力感、食欲不振、いらいら、下痢および憂うつなども月経困難症の症状です。
月経困難症の分類と特徴
大きく分けて機能性月経困難症と器質性月経困難症があります。
・機能性月経困難症は、初経後2~3年より始まり思春期に多くみられます。痛みは痙攣性、周期性で、原因は子宮口が狭いことやプロスタグランジンという物質の過剰分泌による子宮の過収縮と言われています。
※プロスタグランジンとは子宮の血管を収縮させて月経血の排出や止血する働きがあります。出産時の陣痛をおこす作用もあります。
・器質性月経困難症は、月経前4~5日から月経後まで続く持続性の鈍痛のことです。子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫などの器質的疾患に伴うものをいいます。機能性と比較すると年齢が高くなるにつれて増えていきます。
月経困難症の治療
月経困難症の薬物療法について
►対症療法:鎮痛剤、漢方薬など
►ホルモン療法
・低用量エストロゲンプロゲスチン配合薬=月経困難症治療ピル
・黄体ホルモン製剤
・子宮内黄体ホルモン放出システム(IUS)
低用量エストロゲンプロゲスチン配合薬=月経困難症を治療するピル
ピルは、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンが配合された薬です。排卵を抑制することで子宮内膜が厚くならないため、月経量を減少させます。また子宮内膜から作られるプロスタグランジンの産生も抑えられるため子宮の過収縮を減少させ月経痛が緩和します。
ピルは避妊のイメージがあるかもしれませんが、月経困難症の保険適応薬剤です。月経痛のみならず、月経量を減少させ、排卵痛、PMS、月経不順やニキビなどにも効用があることが知られています。また月経回数を3~4ヶ回/年に減らすことができるピルもあります。
副作用にはマイナートラブルと呼ばれている嘔気、悪心、不正出血、乳房の張り、むくみ、頭痛などがあります。服用開始3ヶ月以内に消失することが多いです。注意が必要な重篤な副作用としては、静脈血栓塞栓症があります。妊娠期や授乳期と比較すると決して高い確率で起こる副作用ではありません。服用方法や注意点を守り、定期的に通院していれば、過剰な心配をする必要はないと思われます。
また、最近では天然型のエストロゲン(E4=エステトロール)を含むピルが発売されており、上記マイナートラブルが少ないことが特徴とされています。また、血栓リスクを懸念される方、乳腺や骨への影響を心配される方への使用選択肢が広がっていることで注目されています。
黄体ホルモン製剤
黄体ホルモン(プロゲステロン)と同じ働きを持つホルモン剤です。月経困難症のみならず、子宮内膜症、子宮腺筋症の治療にも使われます。子宮内膜の増殖を抑制することで症状を改善します。ピルと比較し、血栓のリスクが低いことが特徴であり、若い世代から閉経前の世代まで幅広く使用が可能です。内服開始して数ヶ月は不正出血の副作用がありますが、内服を継続していくうちに止血していくことが多いため、あまり心配される副作用ではないと考えています。
子宮内黄体ホルモン放出システム(IUS)
T字型の柔らかいプラチック製で、子宮内に接着することにより、T字の部分から女性ホルモンである黄体ホルモン製剤(レボノルゲストレル)が持続的に放出され、子宮内膜が薄くなっていきます。月経量が減少し、月経痛が緩和していきます。
IUSには適応する方、そうでない方がいらっしゃいますので、詳しい問診をお伺いした上でご相談していきましょう。
詳しくは、「わたしらしく生きプロジェクト」でもご案内していますのでご参照ください。https://www.blog.wataiki-htv.com/author/riko-sadamori/
★どのホルモン治療を選択するかは、ひとり一人異なりますので、十分相談した上で、ご本人に合った治療方法を検討していきましょう。
月経があるから痛みがあっても仕方ないと黙認されている人は多く、学業や就業、日常生活にも支障をきたしながらも頑張っていると思います。一人で我慢せず、必ず相談してください。必ず楽になる方法がありますので、一緒に考えていきましょう。